ご主人(奥様)が突然逮捕されたら?(3/3)-ご家族の力
- <このコラムでお伝えしたいこと>
- 1 はしがき
- 2 ご家族の協力が弁護活動を支える場面
- (1) 示談には、ご家族の協力が必要ですか?
- (2) 身元引受人とは何ですか?
- (3) 保釈とは何ですか?勾留からの解放とどう違いますか?
- (4) 面会や伝言には、どんな意味がありますか?
- (5) 差し入れで支えることはできますか?
- (6) ご家族が共有すると役立つ情報は、何ですか?
- 3 釈放後、その先を見据えて
- 4 弁護士法人みおのサポート
- <Q&Aまとめ>
- Q1.家族として、弁護活動に協力できることはありますか?
- Q2.身元引受人とは何ですか?
- Q3.保釈とは何ですか?勾留からの解放と同じですか?
- Q4.面会には、どんな意味がありますか?
- Q5.差し入れでは、何を差し入れできますか?
- Q6.釈放後に向けて、ご家族にできることは?
弁護士 石田 優一
<このコラムでお伝えしたいこと>
逮捕されたご家族のために「自分に何ができるのか」を知りたい方へ。全3回シリーズの最終回では、示談・身元引受・保釈・面会・差し入れ・情報共有など、ご家族の支えが弁護活動とご本人の心をどれほど支えるかを、弁護士の視点からご説明します。1 はしがき
刑事事件でご本人を支えるうえで、もっとも大切なことの一つは、ご本人を孤独にしないことだと考えられます。
なぜなら、孤独に陥ると、ご本人は自暴自棄になったり、取調べで捜査官の誘導に乗ってしまったりしやすくなるからです。だからこそ、ご家族の存在が大きな意味を持ちます。
本コラムは全3回シリーズの最終回です。ここでは、ご家族の支えが弁護活動を左右する理由を、具体的な場面に沿ってご説明します。
2 ご家族の協力が弁護活動を支える場面
ご本人は身柄を拘束され、自由に動けません。その分、ご家族の協力が結果を左右することが少なくありません。ご家族ができることと、その意義は、次の表のとおりです。
| ご家族ができること | 弁護活動・ご本人への意義 |
|---|---|
| 示談への協力(資金と意思決定) | 示談成立の可能性を高める |
| 身元引受人になる | 身柄の解放や処分の判断で考慮されやすくなる |
| 保釈保証金への協力(起訴後) | 起訴後の身柄解放を円滑にする |
| 定期的な面会・伝言 | ご本人を孤独にせず、心を支える |
| 衣類や書籍などの差し入れ | ご本人の心の支えになる |
| 家庭側の情報の共有 | 弁護方針を立てる材料になる |
(1) 示談には、ご家族の協力が必要ですか?
示談とは、被害者との間で、謝罪や賠償によって争いを解決する合意をいいます。この示談を進めるうえで、ご家族の協力が欠かせないことが多いです。
なぜなら、示談金を準備するには、ご家族のサポートが不可欠な場合が多いからです。実際のご相談でも、ご家族が示談に前向きでないと、そもそも示談交渉を円滑に進められない場面が少なくありません。ご本人が身柄を拘束されて動けないなか、資金と意思決定の両面で、ご家族が鍵を握ります。
(2) 身元引受人とは何ですか?
身元引受人とは、釈放後のご本人を監督し、生活を支えることを約束する人をいいます。多くの場合、ご家族が担います。
身元引受人が積極的に関わることは、捜査機関が早期の釈放に応じる動機になりえます。加えて、起訴された後に保釈を求めるとき、その手続を円滑に進めることにもつながります。釈放後の生活環境を整えておくことは、その後の再出発の土台にもなります。
(3) 保釈とは何ですか?勾留からの解放とどう違いますか?
保釈とは、起訴された後に、保釈保証金(保釈金)を裁判所に預けることを条件に、身柄を解放してもらう制度です。起訴の前の勾留から解放を目指す活動(第1回でご説明した意見書や準抗告)とは、段階が異なります。整理すると、起訴の前は勾留からの解放を、起訴の後は保釈を目指すことになります。
保釈保証金については、「悪いことをした人をお金で助けるもの」という偏見を、いまなおお持ちの方が少なくありません。しかし、保釈は、まだ罪が確定していないご本人を、不必要な身柄拘束から解放するための大切な制度です。罪が確定するまでは有罪として扱わない(無罪推定)という考え方にもとづくものです。ご相談では、この点を丁寧にご説明して、ご協力をお願いしています。
(4) 面会や伝言には、どんな意味がありますか?
接見等禁止で制限されていなければ、ご家族が定期的に面会に通うことには、大きな意味があります。長期の拘束でご本人の心が折れそうなとき、ご家族の顔を見られる効果は大きいものです。
接見等禁止でご家族が直接会えないときも、支える方法はあります。ご家族からご本人へ伝えたいことがあれば、弁護人が丁寧に伝言をお預かりします。弁護人が言葉を運ぶことで、ご本人を孤独にしないよう努めます。
さらに、接見等禁止について、ご家族に限って解除するよう裁判所へ申し入れると、認められることもあります。可能性があれば、こうした働きかけもします。「会えないときも、会えるようにする」ための活動です。
(5) 差し入れで支えることはできますか?
ご家族からの差し入れも、ご本人の支えになります。ふだん使っている衣類や書籍などは、差し入れると喜ばれることが多いものです。
もっとも、施設ごとにルールがある点には注意が必要です。例えば、衣類は、ひも付きのものだと、ひもを抜かないと差し入れできないことがあります。また、書籍は、書き込みがあると差し入れできないケースがあります。差し入れの前に、留置されている警察署へ、差し入れができるかどうかを確認しておくことをおすすめします。
(6) ご家族が共有すると役立つ情報は、何ですか?
家庭側で起きていることの共有は、弁護方針を立てるうえで大きな力になります。
例えば、勤務先や通学先から自宅に連絡が来る、警察が自宅を捜索する、ご家族が事情聴取を受ける、といったことは実際によく起こります。こうした情報に加え、ご本人の健康状態や生活の状況を共有していただくと、弁護活動に役立ちます。
3 釈放後、その先を見据えて
ご本人は、「家族に見放されるのではないか」と心配していることが多いものです。
【具体例】例えば、芦屋市の実家で暮らすBさんが逮捕され、長い拘束のなかで家族との関係を思い悩んでいる、という場面を考えてみましょう。このようなとき、釈放の際にご家族が温かく迎えてくれると伝えられることは、ご本人にとって大きな支えになります。
身柄拘束の間から、そして釈放後に向けて、ご本人を受け入れる環境を整えておくことは、再出発の土台になります。
4 弁護士法人みおのサポート
刑事事件では、ご家族と弁護士が力を合わせてご本人を支えることが、大きな力になります。ご相談では、「弁護士は法律のプロですが、ご家族の代わりにはなれません。ご本人の孤独を救えるのは、ご家族だけです」という考えをお伝えすることがあります。
弁護士法人みおは、刑事弁護に真摯に向き合い、事案に応じて臨機応変に対応します。示談への取り組み、身元引受や保釈の調整、面会や伝言を通じた支えまで、ご家族と力を合わせて進めます。
最後に、全3回を通じてもっともお伝えしたいことは、まずは弁護士につながっていただきたい、ということに尽きます。刑事弁護は1件ごとに方針が異なるため、自己判断は危険です。ご本人も、突然の逮捕で弁護人の依頼まで考えが及ばないことがよくあります。ご家族がいち早く弁護人を選任し、迅速に弁護活動を始められる体制を整えることが重要です。神戸三宮からもお越しいただきやすい体制を整えていますので、どうかお気軽にご相談ください。
<Q&Aまとめ>
Q1.家族として、弁護活動に協力できることはありますか?
A1.示談金の準備、身元引受人、保釈への協力、面会や伝言、差し入れ、家庭側の情報共有など、多くあります。ご本人が動けない分、ご家族の支えが結果を左右することも少なくありません。
Q2.身元引受人とは何ですか?
A2.釈放後のご本人を監督し、生活を支えることを約束する人です。身柄の解放や処分の判断で考慮されやすくなり、起訴後の保釈を円滑に進めることにもつながります。
Q3.保釈とは何ですか?勾留からの解放と同じですか?
A3.保釈は、起訴された後に保釈保証金を預けて身柄を解放してもらう制度です。起訴前の勾留からの解放とは段階が異なります。まだ罪が確定していないご本人を、不必要な拘束から解放するための大切な制度です。
Q4.面会には、どんな意味がありますか?
A4.ご本人を孤独にせず、心を支える大きな意味があります。接見等禁止で会えないときは、弁護人が伝言をお預かりして届けます。ご家族限定での解除を裁判所へ申し入れることもあります。
Q5.差し入れでは、何を差し入れできますか?
A5.ふだん使っている衣類や書籍などが喜ばれます。ただし、衣類のひもは抜く必要があったり、書き込みのある書籍は差し入れできなかったりと、施設ごとのルールがあります。事前に警察署へ可否をご確認ください。
Q6.釈放後に向けて、ご家族にできることは?
A6.温かく迎える意思を伝えることや、生活環境を整えておくことです。ご本人の再出発の支えになります。





