弁護士法人 みお綜合法律事務所神戸支店
2026.08.18
交通事故の問題

自転車事故の被害に遭ったら?賠償請求の進め方を弁護士が解説

弁護士 石田 優一

<このコラムでお伝えしたいこと>

自転車が相手の事故でも、賠償の請求はできます。兵庫県は自転車保険への加入を条例で義務づけており、相手方が保険に加入していれば、重いけがが残った事案ほど弁護士が交渉に入る意義が大きくなります。

1 はしがき

「相手が自転車だったから、泣き寝入りするしかない」。自転車の事故でけがをされた方から、このようなお話しをうかがうことがあります。

しかし、これは誤解です。相手方が保険に加入していれば、保険会社との交渉によって解決を目指すことができます。自転車は道路交通法上の車両であり、けがをさせた側は損害を賠償する責任を負います。兵庫県では、全国で初めて自転車保険への加入が義務づけられました。最近は、自転車でも保険加入をする方が増えていますので、必ずしも泣き寝入りということはありません。

令和8年(2026年)4月1日からは、16歳以上の自転車の運転者に「青切符」(交通反則通告制度)が導入され、自転車のルールに社会の関心が集まっています。自転車による事故は、以前から、大きな社会問題の1つです。

このコラムでは、自転車の事故で重いけがを負った方に向けて、どのように賠償請求を進めるか、弁護士が交渉に入ることでどのような違いが出るのかについて、ご説明いたします。

2 自転車保険への加入が一般的に

兵庫県の自転車保険の加入義務とは、県内で自転車を利用する人に、事故の相手方の生命や身体の損害を補償できる保険または共済への加入を求める制度です(自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例)。

義務を負うのは自転車の利用者本人だけではありません。未成年者の保護者や、業務で自転車を使わせる事業者も、同じように加入しなければなりません。

なお、この加入義務は兵庫県内で自転車を利用するときに適用されます。県外から乗り入れてきた場合や、観光でレンタサイクルを利用する場合も対象になります。

このような取り組みもあって、最近は、自転車保険への加入が一般的になっています。

3 自動車事故と自転車事故の違い

 

最も大きな違いは、自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)がないことです。自動車には加入が強制されていますが、自転車にはこの強制保険がありません。

自動車の事故との主な違いは、次の表のとおりです。

項目 自動車の事故 自転車の事故
強制保険 自賠責保険がある ない
国の立替払い(政府保障事業) 無保険事故は対象になりうる 軽車両のため対象外
後遺障害の等級認定 自賠責の手続を利用できる 自賠責の手続がない
賠償を求める相手 運転者・保有者と自動車保険 加害者本人と、加入していれば保険会社など

4 自転車との事故で重いケガが残ったときは?

(1) 自転車事故で高額な賠償が認められるケースはありますか?

神戸地方裁判所平成25年7月4日判決は、当時11歳の男児が運転する自転車が歩行中の女性に正面衝突した事故について、親権者として同居し監督義務を負っていた母親に、民法第714条第1項による賠償責任を認めました。認められた金額は合計で約9,500万円に上ります。

この判決は、兵庫県が全国で初めて自転車保険の加入を義務づける契機になったと指摘されています。自転車事故でも、高額な賠償請求が認められるケースはあります。

(2) 弁護士が入ると、何が変わりますか?

相手方に保険会社が付いている事案では、保険会社から賠償額の提示を受けることになります。実務では、この提示額が、弁護士が交渉に入ることで見直され、大きく上がることがよくあります。

ご相談の際に、具体的な資料を拝見しながら、弁護士が入ることでどの程度のメリットが期待されるか、詳しくお話しいたします。

(3) 後遺障害は、どのように主張していくのですか?

自動車の事故であれば、自賠責保険の手続を通じて後遺障害の等級認定を受けることができます。しかし自転車の事故には自賠責保険がないため、その手続を利用できません。

そのため、後遺障害が残っていること、そしてその程度がどのようなものかを、当事者の側から積極的に説明していく必要があります。具体的には、主治医の意見も踏まえて、後遺障害が認められる理由を丁寧に組み立てていくことが求められます。

何をどこまでそろえるべきかは事案ごとに異なります。ですから、資料の集め方について自己判断で進めず、早い段階で弁護士の助言を受けていただくことをおすすめします。

5 弁護士法人みおのサポート

自転車の事故で重いけがを負った場合、ご本人やご家族が治療と生活の立て直しに向き合いながら、保険会社とのやり取りまで担うことは大きな負担です。

弁護士法人みおでは、担当弁護士が、相手方の保険会社との交渉について、丁寧にサポートいたします。

当事務所はJR三ノ宮駅や、阪神神戸三宮駅・阪急神戸三宮駅の近くに位置し、神戸エリアのほか、明石・芦屋からもお越しいただきやすい場所でご相談を承っております。自転車の事故で大きなけがをされたときは、まずはご相談ください。

<Q&Aまとめ>

Q1.自転車にぶつかられてけがをしました。相手が自転車でも賠償を請求できますか?

A1.請求できます。自転車も道路交通法上の車両であり、けがをさせた側は損害賠償の責任を負います。相手方が個人賠償責任保険などに加入していれば、その保険会社と交渉して解決を目指すことができます。

Q2.兵庫県では自転車保険への加入は義務ですか?

A2.義務です。兵庫県の「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」第13条により、平成27年10月1日から、自転車の利用者、未成年者の保護者、事業者に加入が義務づけられています。なお、罰則は設けられていません。

Q3.自転車の事故でも後遺障害は認められますか?

A3.認められます。ただし自転車の事故には自賠責保険がなく、等級認定の手続を利用できません。主治医の意見も踏まえて、後遺障害が認められる理由を当事者の側から積極的に説明していく必要があります。

このコラムを書いた人

弁護士石田優一
兵庫県弁護士会所属 68期 登録番号53402
みお神戸支店長、パートナー弁護士。社会保険労務士、登録情報セキュリティスペシャリストの資格を持ち、くらしの身近な相談から、企業法務、IT法務、ベンチャー支援まで、幅広く注力する。弁護士として神戸・兵庫に貢献できることを日々探求している。

同じカテゴリのコラム記事

  • 交通事故の問題
    2026.08.25
    自営業・フリーランスの休業損害|交通事故被害者が有利に交渉するには
  • 交通事故の問題
    2026.08.18
    自転車事故の被害に遭ったら?賠償請求の進め方を弁護士が解説
  • 交通事故の問題
    2026.08.03
    交通事故で顔に傷が残ったら?保険会社との交渉の進め方
業務案内 業務案内
暮らしのサポート
・交通事故の問題
・借金の問題
・刑事事件の弁護
・終活のサポート
・遺産相続のトラブル
・離婚・夫婦のトラブル
働く人のサポート
・フリーランスのトラブル
・労働者のトラブル
ビジネスのサポート
・企業法務
・会社・法人破産