ベンチャー法務

神戸でベンチャー企業を立ち上げる前に知っておきたい資金調達策

今回のコラムのテーマは,ベンチャー企業の資金調達策です。「新しいことを始めたい」という熱意を形にするためには,何よりも必要資金の確保が重要です。そこで,融資・補助金・投資の3つをテーマに,それぞれの活用方法と留意点について取り上げたいと思います。


第1章 はじめに

 

神戸は,1868年の開港以来,世界に開かれた港町として発展してきました。古くから,鉄鋼や造船等の産業を支える高度なものづくり技術をもった中小企業が数多くあり,これらの企業が,神戸の産業を支えてきました。

 

神戸はいま,IT分野の若手起業家の支援に力を入れています。アメリカのシリコンバレーとの交流支援や,アフリカのルワンダとのIT分野での経済連携など,世界に開かれた港町らしい独自の取組みによって,「若者に選ばれるまち」を目指しています。

 

また,神戸には,理化学研究所や神戸大学をはじめ,最先端の産業を支える様々な研究機関があり,産学連携を活かしたベンチャー事業に適した街でもあります。

 

さらに,このような最先端の分野のみならず,地域の特産や伝統を活かした新たな産業の創出も,ベンチャー事業の一形態です。地域の活性化につながるベンチャー事業は,地域貢献につながり,創業者にとってかけがえのない「やりがい」を得ることができます。

 

このように,ベンチャー企業のあり方は様々ですが,どのような事業にも共通する課題は,「どうやって資金を調達するのか」です。今回のコラムでは,ベンチャー企業を立ち上げるうえで有用な資金調達策について考えたいと思います。

 

第2章 ベンチャー企業を立ち上げる際の主な資金調達策

 

ベンチャー企業が資金を調達する方法には,大きく,(1)「融資を受ける」,(2)「補助金を活用する」,(3)「投資を受ける」の3つがあります。もっとも,3つのうちどれか1つしか活用しないケースは少なく,バランスを考えながら,3つの方法を併用することが通常です。

 

第3章 融資を受ける

 

1 ベンチャー企業が利用しやすい融資制度

 

資金調達において一番イメージしやすいのが,「お金を借りる」ことです。

 

第1に,日本政策金融公庫には,新企業育成貸付や,新創業融資制度等,起業の際に利用しやすい様々な融資制度があります。事業内容によっては,低金利で融資を受けられたり,高額な融資を受けられることもあります。例えば,「新事業育成資金」は,事業に新規性と成長性があることが認定された場合に,低金利で最高6億円の融資を受けることができます。まさに,「新しさ」と「将来性」を兼ね備えた輝くベンチャー企業を想定した融資制度です。

 

第2に,各自治体が起業を想定して提供している融資制度もあります。

 

例えば,兵庫県の中小企業融資制度には,3500万円を上限に開業資金の融資を受けられる制度があります。条件によっては,代表者が保証人にならずに融資を受けられる場合や,過去に事業に失敗した経験がある人でも融資を受けられる場合(融資の上限額等の条件が変わります。)があり,起業家にとって活用しやすい融資制度です。

 

また,神戸市では,ベンチャー企業を支援することを目的とした独自の融資制度を提供しています。

 

神戸市で創業を考えている場合には,神戸市産業振興財団の「特定創業支援等事業」を活用することが有効です。創業相談やセミナーへの参加等,所定の事業を定期的に利用することによって,日本政策金融公庫から融資を受ける際に自己資金が必要な場合の特例が適用されたり,低金利で融資を受けられるようになる等のメリットがあります。

 

創業相談を受けるうえで必要なことは,「どのような事業をしたいか」「その事業が目指すものは何か」「どうやって利益につなげていくか」「将来的な目標は何か」といった,具体的なビジョンを設定しておくことです。ビジョンがしっかりとしていれば,創業相談において,中小企業診断士等の専門家からそのビジョンにあった的確なアドバイスを受けることができます。

 

2 融資のメリット

 

融資を利用するメリットは,他の資金調達手段よりもハードルが低いことや,創業者の株式持分の希釈化が起きないこと,すぐに資金を得られることです。

 

補助金の活用や,投資によって必要な資金を得ることには,ハードルがあります。補助金は,「返済をしなくてよい」ことが最大のメリットですが,事業計画等を綿密に立てる必要があり,それでも意図していた補助を受けられないことが多々あります。また,経費の全額補助までは受けられないことが通常で,自己資金以外のすべての資金を補助金でまかなうというのは現実的ではありません。

 

投資も,投資家から「投資したい」と思わせるだけのプランがなければ,思うような資金調達ができません。また,後ほど詳しく取り上げますが,株式による投資の場合,投資家が株式を持つことになるため,新たな投資を受けるたびに創業者の株式の持分比率が下がり,場合によっては,創業者が会社の支配権を失ってしまうこともあります。

 

融資の場合,これらの問題がなく,すぐに資金を得られることが,メリットといえます。

 

3 融資のデメリット

 

一方で,融資にはデメリットもあります。

 

第1に,融資の場合,元本や利息を返済する負担を伴う点です。日本政策金融公庫の融資制度等を利用することで利息の負担を抑えることはできますが,それでも,将来性が見えづらい新事業の創出を目指すことが多いベンチャー企業にとって,返済の負担は大きな足かせとなるおそれがあります。

 

第2に,多額の融資を受けようとすれば,代表者保証,つまり,代表者(通常は創業者)が保証人になることを求められることが多い点です。代表者保証を不要とする融資制度もありますが,その場合,融資を受けられる金額は自ずと制約されます。

 

仮に,ベンチャー企業を立ち上げたものの,思っていたビジョンを実現することができず,事業に失敗してしまった場合,破産を選択せざるを得ないとします。その場合,保証人になっている代表者も,会社と同時に破産を余儀なくされてしまいます。破産した場合,資産の多くを失ってしまううえに,いわゆるブラックリストに載ってしまうことで,その後のローンを伴う生活設計や新たな事業を立ち上げての再出発に大きな支障が出てしまいます。

 

会社法上は「資本金1円」でも株式会社を立ち上げることはできますが,自己資本がほとんどない状態で,融資だけに頼って事業をスタートさせるのは,大きなリスクを伴います。ベンチャー企業の多くは,事業が軌道に乗るまでの間,利益を上げるのが難しいのが通常です。そうすると,自己資本がほとんどない状態では,すぐに債務超過(会社の資産をもって負債を完済することができない状態)に陥ってしまいます。現実にはあまりないでしょうが,破産法上は,このような場合には債権者から破産手続開始の申立てが可能であり(破産法15条1項,16条1項,18条1項),会社が不安定な地位に置かれることになります。また,債務超過の状態は,追加融資を受ける際にも大きな支障になってしまいます。

 

4 それではそうすればよいか

 

融資にはデメリットもありますが,かといって,全く融資を活用することなく起業することは,(潤沢な自己資金を有しているケースや,いわゆるエンジェル投資家から多額の投資をしてもらえることが約束されているケースを除いては)多くの場合,現実的ではありません。

 

事業が軌道に乗るまでにどれくらいの期間を要するのか,そして,将来的にどれくらいの利益が見込まれるのか,中小企業診断士等の専門家とも相談しながら明確なビジョンを立て,「計画的で無理のない借入れ」を行うことが重要です。

 

そして,融資は,あくまでも,投資等の他の資金調達策と併用すべき手段であることを,意識しておく必要があります。

 

第4章 補助金を活用する

 

1 補助金とは

 

補助金とは,国や地方公共団体が,様々な政策を実現するために条件を定めて資金を援助する制度です。

 

補助金は,事業計画の策定等の一定の準備を行ったうえで,審査を受ける必要があり,申請すればだれでももらえるというものではありません。

 

その一方で,融資とは異なって返済の必要がなく,また,投資とは異なって創業者の支配権に影響を与えることがないメリットがあります。

 

「補助金をもらえるならもらいたい」というのは,創業者のだれもが思うことでしょう。

 

2 国が実施する創業補助金の活用

 

起業に関する補助金として代表的なのが,国が実施する創業補助金制度です。平成30年は,「地域創造的起業補助金」という名称で,4月から5月までにかけて公募がなされました。平成31年にも同様の公募がなされるものと思われますので,創業補助金の利用を考えている場合は,早めに準備を進めておく必要があります。

 

平成30年の地域創造的起業補助金は,新たなビジネスモデルで需要や雇用を創出する事業等を対象に,創業や販路の開拓に必要な費用の2分の1(ただし,融資等の外部資金調達があれば200万円以内,融資等の外部資金調達がなければ100万円以内が限度。)を補助するという内容でした。また,市町村の実施する特定支援事業を受けることも要件とされていました。

 

神戸市産業振興財団の「特定創業支援等事業」については前章でご紹介しましたが,神戸市で創業を考えている場合は,創業補助金の利用においても,神戸市産業振興財団の創業支援制度を利用することが有効です。

 

3 神戸市の支援施策

 

神戸市は,ベンチャー支援のために,独自の補助金の公募を行ってきました。神戸市は,IT・医療・航空宇宙産業等,ベンチャー事業の支援に対して積極的な取組みを行っています。

 

神戸市産業振興財団のサイトや,神戸ものづくり支援ポータル「神戸リエゾン・ネットワーク」等では,神戸市のベンチャー創業支援に関連した情報が提供されています。

 

4 補助金を受けるための準備

 

補助金を受けるためには,募集要項に従い,事業計画や資金計画等を検討し,必要書類を作成する必要があります。そのうえでは,創業相談等も活用しながら,中小企業診断士等の専門家のアドバイスを受けて,綿密な計画を立てる必要があります。

 

もっとも,たとえ専門家のアドバイスを受ける機会を得たとしても,創業者自身の中に明確なビジョンがなければ,事業計画や資金計画は完成しません。前章でも言及しましたが,「どのような事業をしたいか」「その事業が目指すものは何か」「どうやって利益につなげていくか」「将来的な目標は何か」といった具体的なビジョンを立てておくことが,創業者にとって重要なことです。

 

とはいえ,このようなビジョンを立てることには時間がかかります。補助金の公募が始まってからビジョンを考え始めるのでは,期限に間に合いません。早くから創業相談やセミナー等を積極的に活用してプランを立てていくことが重要です。

 

補助金の申請を目指した事業計画の策定においては,意識しておかなければならないことがあります。それは,その補助金が何を目的としているかです。例えば,地域創造的起業補助金であれば,名称からも明らかなように,起業する地域において新しい産業や雇用を生み,地域を活性化するものでなければなりません。「ベンチャー事業を通じて,地域にどのように貢献したいのか」,「その事業を実現するうえで自分の強みは何か」,「既存の事業と自分の考える事業にはどこに違いがあるのか」,「その地域でどのようなニーズが見込まれるのか」といった,ただ「この事業は儲かります」というだけではない,補助金制度の目的を意識したプランを考える必要があります。

 

専門家のアドバイスを受ける前に,このような具体的なプランを模索し,さらに,簡単な計画書を作っておくことが重要です。

 

第5章 投資を受ける

 

1 多様化するベンチャー企業への投資

 

従来は,ベンチャー企業への投資といえば株式が一般的でしたが,最近では,新株予約権付社債を活用した投資や,クラウドファンディング等,ベンチャー企業への投資のあり方が多様化しています。また,株式による投資も,投資契約や株主間契約による制度設計,種類株式制度を活用した制度設計等,様々な方法が普及しています。

 

2 クラウドファンディング

 

クラウドファンディングは,インターネットを通じてたくさんの人から少しずつ資金を募り,事業に成功した際には「お返し」をするようなやり方です。ベンチャーキャピタル等からの投資とは異なり,審査等を受けることなく募集をかけることができ,参加者も少額から気軽に参加できるところに,大きな特長があります。

 

特に,「儲かるかは分かりませんが,皆さんに賛同していただけるはずです」といった事業や,「まだ開発段階ですが,開発に成功すれば皆さんの生活を変えることになります」といった事業であれば,多くの人からの賛同を得ることができ,クラウドファンディングが真価を発揮することと思います。

 

クラウドファンディングの成功例として最近有名になったのが,「この世界の片隅に」のアニメ映画化です。ほとんど資金のない状態からスタートしたにもかかわらず,クラウドファンディングによって多額の資金を集め,日本アカデミー賞をはじめ数々の賞を受賞する大ヒット作となりました。「儲かるか」「儲からないか」という次元ではなく,「心から好きな作品を映画化してほしい」と願うたくさんの原作ファンの純粋な思いが,クラウドファンディングを成功に導いたといえるでしょう。そのようにして集めた資金ゆえに,収益を過度に意識することになく,「原作の魅力をそのまま映画にしたい」という監督の思いをそのまま形にすることができたのも,この映画が成功したゆえんであると思います。

 

クラウドファンディングは,新しい資金調達手段として,多くの可能性を秘めたものです。

 

ベンチャー支援を目的としたものではありませんが,神戸市中央区では,地域活性化や地域課題を解決するために実施するクラウドファンディングでの資金調達に対し,コンサルタントからのアドバイスや,区のサイトや広報紙でのプロジェクト掲載といった支援事業を行っています。このように,クラウドファンディングは,地方公共団体等からも注目される資金調達手段となっています。

 

もっとも,クラウドファンディングは,資金を集めるために地道な努力が必要で,短期間で多額の資金を調達する必要がある場合には不向きです。やはり,ベンチャー企業にとって最も一般的な投資が「株式」であることは,今後も変わらないでしょう。

 

3 株式による投資

 

株式は,ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家等から投資を受ける一般的な方法です。株式による投資の最大の特徴は,投資家が株主となって会社の支配に関与する点です。

 

投資家から無計画な投資を受ければ,創業者が会社に対する支配権を失い,創業者が予定していた計画を実現できなくなったり,ときには会社から追い出されてしまうこともあります。

 

次章では,株式による投資を受けるうえでの留意点について取り上げます。

 

第6章 株式による投資の留意点

 

1 株式を持つことの意味

 

そもそも,初めて事業を始める方や,これまで個人事業の経験しかなかった方にとって,株式会社の制度はあまりなじみがないかもしれません。はじめに,株式会社において,株式をもつことにどのような意味があるか,説明いたします。

 

株式会社においては,経営と支配が分離しており,経営にかかわる重要事項を決定する権限が,株主に与えられています。株式を保有する者は,原則として,株主総会において保有する株式数に応じて議決権を有し,重要事項の決定にかかわる機会が与えられています。

 

例えば,株主総会の議決権の過半数を有していれば,原則として,取締役を解任することができます(会社法341条)。つまり,たとえ,創業者が代表取締役として経営の中核にあったとしても,創業者を取締役から解任し,会社の経営から追い出すことが認められるわけです。

 

また,他の会社に吸収合併(会社法749条以下)されたり,株式交換(会社法767条以下)という制度を利用して他の会社の完全子会社(親会社が100%株式を保有している子会社)になる場合には,議決権の3分の2以上を有する株主が賛成しなければなりません(「特別決議」,会社法309条2項12号)。裏を返せば,ある株主が議決権の3分の1を超える株式をもっていれば,その株主が反対する限り,吸収合併をされたり,株式交換によって他の会社の完全子会社となることはできなくなります。

 

さらに,会社法では,定款変更や新株発行(募集株式の発行)といった様々な場面において,株主総会において議決権の3分の2以上を有する株主が賛成しなければならないことが定められています。議決権の3分の1を超える株式をもっている株主は,実質的に,このような場面においても,実質的な拒否権を有していることになります。

 

2 持分比率の高い株主はベンチャー企業にどのような影響力をもつか

 

前述のとおり,議決権の過半数を有する株主は,取締役を解任することができます。例えば,持株比率の高い株主が結託して,トータルの持株比率が過半数に達すれば,創業者ら現経営陣を会社から排除して,会社の経営を支配することが可能となります。

 

また,たとえ議決権の過半数がなくても,議決権の3分の1を超える株式を有する株主が結託すれば,会社の合併や他社の完全子会社化を排除することができます。ベンチャー企業の場合,成長性が大手企業に買われて,当該企業から買収を受けることで,創業者や投資家に

多額の利益がもたらされるケースが多々あります。しかし,ある株主によって大手企業から合併や完全子会社化が阻止されれば,このようなチャンスを失うおそれがあります。

 

しばしば問題になるのは,複数のエンジェル投資家から多額の投資を受けて,その結果,エンジェル投資家(ベンチャー企業を支援してくれる個人投資家)が持っている株式が全体の3分の1を超えてしまっているケースです。この場合,ベンチャーキャピタルから投資を得ようとしても,エンジェル投資家の株式の持分比率が高いことを理由に,投資を拒否されるおそれがあります。なぜなら,ベンチャーキャピタルは,創業者らに経営のアドバイスを行いながら会社の成長を図り,最終的にその会社が大手企業から買収されるなどして多額の利益がもたらされることを期待していることが多いため,エンジェル投資家からそのような計画を阻止されるおそれがある状況では,安全な投資ができないと判断されるおそれがあるからです。

 

ですから,株式による投資を受ける際には,将来的な追加での投資を見据えながら,今後,創業者,ベンチャーキャピタル,エンジェル投資家の持株比率がどのようになる見込みかを予想し,株式をむやみにばらまかないよう,慎重な判断を行う必要があります。

 

3 株式設計を工夫する

 

創業者の支配を保ちながら,十分な投資を受けるために,株式設計を工夫する方法があります。

 

第1に,種類株式を発行する方法です。会社法では,残余財産分配請求権(会社を清算する際に株主が会社に残っている財産の分配を請求する権利)や,株主総会において議決権を有している事項,権利行使ができる1単元あたりの株式数等について,扱いが異なる数種の株式を発行することが認められています。これを,種類株式といいます。種類株式の制度を利用することで,1株あたりの価値や,経営への影響力が異なる株式を発行することができます。株主の属性に応じて交付する株式の種類を区別することで,バランスを図ることができます。

 

第2に,株主全員と会社との間で契約を結ぶこと(株主間契約)によって,株主の属性に応じた扱いの違いを設けて,種類株式と似たような仕組みを実現する方法もあります。種類株式の方法を用いる場合は,登記が必要なことや,原則として種類株式ごとに種類株主総会を開催しなければならないこと等,制度が複雑になってしまいます。一方で,同じような仕組みを契約によって実現する場合には,このような問題が生じないメリットがあります。

 

種類株式や株主間契約を利用した株式設計に当たっては,将来の上場や買収を見据えた制度設計や,ベンチャーキャピタルとの調整といった,様々な専門的知識が必要です。安全な株式設計のためには,弁護士等の専門家から的確なアドバイスを受けることが不可欠です。

 

第7章 おわりに

 

今回は,ベンチャー企業の資金調達策について,概観的に取り上げました。特に,株式設計については,今回は詳しく取り上げませんでしたが,制度がとても複雑であり,弁護士等の専門家との連携がなければ難しいものです。

 

また,ベンチャーキャピタルから投資を受ける際には,複雑な投資契約等の締結を求められることが通常であり,それぞれの条項の意味や,創業者に将来的に及ぼしうる影響について,契約書を一読しただけですべてを理解することは困難です。

 

そのような中で,ベンチャー企業の創業段階からアドバイスを受けられる弁護士の存在がいれば,大きな安心材料となります。

 

さらに,今回のコラムでは取り上げませんでしたが,ベンチャー企業には,労務管理や法令遵守等も重要な意味があります。なぜなら,労務管理や法令遵守等に問題があると,補助金申請,上場,大手企業からの買収といった様々な場面において,足かせとなってしまうからです。補助金の申請においては,法的紛争がないことが要件になっているケースがあります。また,上場や大手企業からの買収の際にはデューデリジェンスという調査が行われるため,社内の労務管理体制に法的問題があれば,これらの支障になるおそれがあります。

 

そのような意味でも,困ったときにいつでも相談できる弁護士の存在は,ベンチャー企業を立ち上げるうえで心強いものとなります。

 

最近,起業家のメンタルヘルスが問題になっており,起業家の実に4割ほどが「心の不調」を抱えているとのデータもあるほどです。困ったときに専門家に相談ができる環境は,起業家が一人で悩みを抱えて「心の不調」に陥ってしまう問題を解決する1つの糸口であると思います。

 

当事務所では,ベンチャー企業の創業者に向けた法的サポートのご提供を行っております。ベンチャー企業の株式設計,労務管理,知財管理等,ベンチャーに関する法律問題でお悩みの際は,ぜひ当事務所にご相談ください。当事務所は,神戸をはじめ,大阪,京都ほか,他地域からのご相談にも対応いたします。

 

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このコラムを書いた人

弁護士 石田優一
兵庫県弁護士会所属 68期 登録番号53402
情報処理安全確保支援士、応用情報技術者の資格を持つ若手弁護士。IT、IoT、営業秘密など、いつでもすぐに、最新の問題に対応するリーガルサービスを提供できるよう、5年先、10年先を読みながら、日々研鑽を積んでいる。
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