弁護士法人 みお綜合法律事務所神戸支店

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神⼾・兵庫ぶらり探訪

2022.12.17
神戸市

神鉄湊川駅から鈴蘭台駅まで沿線を歩いてみました

今回の旅のテーマは?

今回は、湊川駅から鈴蘭台駅まで、神戸電鉄沿線をウォークしてきました。

神戸電鉄は、昭和3年に湊川駅から現在の有馬温泉駅まで開業したことに端を発します。都市圏を走る鉄道でありながら、急勾配の多い鉄道として知られ、「全国登山鉄道‰会」に所属しています。‰(パーミル)は、%の10分の1を示す記号で、鉄道の勾配を示す際に用いられます。

途中、鵯越駅から鈴蘭台駅までは、ハイキングコースが主になります。

湊川駅にて

今回の旅は、湊川駅から始まります。現在は、神戸高速鉄道とつながっていて、湊川駅は新開地駅に続く途中駅のように運行されていますが、かつては現在よりも少し東側に位置し、終着駅として運行されていました。

湊川公園

湊川駅の上には、湊川公園があります。「なぜ駅の上に公園が?」と疑問に思えますが、この場所は、もともと、湊川が流れていました。もともと湊川は、南北に流れる天井川(土砂の堆積によって周辺地域よりも標高が高くなった川)で、「神戸」と「兵庫」の2地域を分断していました。当時の湊川は、度々氾濫が起こり、周辺地域に被害を与えていました。近くに「荒田町」という名称の地域がありますが、当時氾濫によって田が荒れていたことの名残といわれています。

明治時代になってから、氾濫を防ぐために新湊川が開削されたことで、もともと湊川が流れていたこの地域は埋め立てられました。

新開地

湊川公園から新開地商店街を眺めた写真です。よく見ると、遠くに向かって標高が下がっていることが分かります。これは、新開地商店街が、かつての湊川の埋立地に沿って造られていることの名残です。「新開地」という名前も、川を埋め立てて新しい場所として開かれたことに由来しています。

楠木正成ゆかりの地

湊川公園には、楠木正成の像があります。この地では、南北朝時代に、足利家らと新田義貞・楠木正成らとの合戦「湊川の戦い」がありました。

湊川大食堂

湊川商店街の入口に、「湊川大食堂」というお店があります。こちらのお店は、商店街の様々な店舗から食材を仕入れていて、地元の味を楽しむことができます。

長田駅・丸山駅・鵯越駅へ

湊川駅を後にして、次の駅に向かって歩き始めました。

兵庫県警本部科学捜査支援センター

長田駅に向かう途中、「科学捜査支援センター」を見つけました。こちらの施設は、平成26年に開設し、証拠品の管理やDNA鑑定、防犯カメラの解析などを行っているそうです。DNA鑑定や防犯カメラの解析結果は、手がかりの少ない刑事事件の解明につながることがよくあり、刑事弁護においてしばしば関係資料を目にする機会があります。

住宅街を走る神鉄電車

勾配を力強く進んでいく神戸電鉄を左手に、長田駅に向かって歩いていきます。

湊川隧道

途中で、湊川隧道への入口を見つけました。この隧道(トンネル)は、新しい湊川を開削する際に、日本初の河川トンネルとして建設されました。月1回内部公開されていて、コンサートが開かれています。

長田駅をすぎて丸山駅に到着

丸山駅に到着しました。この辺りは、もともと「神戸の奥座敷」と呼ばれていました。今ではその面影はなくなり、住宅街となっていますが、丸山駅近くから眺める壮大な景色を見ると、「奥座敷」として知られていた理由が分かります。

鵯越駅に到着

鵯越駅に到着しました。「鵯越」は「ひよどりごえ」と読みます。「ひよどり越え」といえば、歴史的に「ひよどり越えの逆落とし」で知られていますが、実際にこの地域付近が舞台になったかどうかは諸説あります。実際、「ひよどり越え」と同じ文脈で語られることの多い「一の谷」は、この地域から離れた場所にあります。

鵯越駅は、「山の麓」という印象を覚える閑静な駅です。

ハイキングコースへ

さて、鵯越駅の右手から、ハイキングコースへと入っていきます。なだらかな道が続いており、ハイカーも多いため、気軽に楽しむことができます。途中で鈴蘭台処理場があり、トイレが無料開放されています。

旧菊水山駅

途中、現在は廃止された菊水山駅の跡地を見つけました。かつては秘境駅として知られ、周辺に民家はなく、鈴蘭台処理場の職員やハイカーが主に利用する駅でした。

なお、菊水山駅のホームは立ち入り禁止となっていますので、少し離れた場所からしか駅の様子を見ることはできません。

石井ダムに到着

石井ダムに到着しました。石井ダムは、湊川の上流、烏原貯水池からさらに上流に位置するダムです。日本で数少ないレクリエーション目的を有する多目的ダムとして、平成16年に完成しました。階段があり、ダムの上から神戸市街を臨むことができます。

ダムの上からの景色です。神戸電鉄の路線の先に、神戸市街、そして、瀬戸内海が見えます。

ここから鈴蘭台駅までは、道路が整備されています。途中でレクリエーション広場もあり、鈴蘭台駅側からは気軽に訪れることができます。

神戸電鉄と再び合流し、今回の旅も終わりに近づいてきました。

鈴蘭台駅へ

神戸電鉄の鈴蘭台車両基地です。新旧、様々な車両を見ることができます。

鈴蘭台駅に到着しました。自らの足で歩くと、神戸電鉄がいかに紆余曲折を経て鈴蘭台駅までの道のりを結んでいるかが分かります。

鈴蘭台は、かつて「関西の軽井沢」と称される別荘地でした。戦後は、ニュータウンとして発展し、現在では市街地として発展を遂げています。鈴蘭台は、神戸電鉄とともに発展した街といっても、過言ではありません。

おわりに

今回は、神戸市営地下鉄に次ぐ、鉄道沿線たび第2弾となりました。日常的に使っている路線も、沿線を旅すると新たな発見があります。

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